W3C

【注意】この仕様の正式版は、W3Cのサイト内の英語版のみです。また、この翻訳は原文と技術的に等価であることを意図していますが、誤訳がありうることは留意してください。

Webコンテンツ・アクセシビリティに関する指針1.0 石川准監訳

W3C勧告1999年5月5日

本バージョン:
http://www.w3.org/TR/1999/WAI-WEBCONTENT-19990505
(プレーン・テキストPostScriptPDFHTMLのgzip tarファイル、HTMLのzipアーカイブ)
最新バージョン:
http://www.w3.org/TR/WAI-WEBCONTENT
旧バージョン:
http://www.w3.org/TR/1999/WAI-WEBCONTENT-19990324
編集者:
Wendy Chisholm, Trace R & D Center, University of Wisconsin -- Madison
Gregg Vanderheiden, Trace R & D Center, University of Wisconsin -- Madison
Ian Jacobs, W3C

要約

この指針では、障害を持つ人々がWebコンテンツ にアクセスすることを可能にする方法について説明します。指針は、すべてのWebコンテンツ開発者(ページ作成者やサイト・デザイナ)およびオーサリング・ツールの設計者を対象としています。この指針のおもな目的は、アクセシビリティを促進することです。しかし、指針に従うことにより、Webコンテンツは、使用しているユーザー・エージェント(例、デスクトップ・ブラウザ、音声ブラウザ、携帯電話、自動車搭載パーソナル・コンピュータなど)や操作時の制約(例、騒音の大きい環境、照明が暗すぎる、明るすぎる部屋、手が使えない環境など)にかかわらず、すべてのユーザーにとってより利用しやすいものになります。また、指針に従うことは、人々がWeb上の情報をより速く探す手助けとなります。この指針は、コンテンツ開発者がイメージ、ビデオなどを使用することを思いとどまらせるものではなく、マルチメディア・コンテンツを幅広い人々にとってよりアクセス可能にする方法を説明しています。

これは、アクセシビリティの原則と設計の概念に関する参考文書です。この文書で述べられているいくつかのストラテジーは、具体的なWebの国際化やモバイル・アクセスの問題について取り扱っています。しかし、この文書が重点を置いているのはアクセシビリティであり、その他のW3C活動についてはあまり詳しく触れていません。詳しくは、W3Cモバイル・アクセス活動W3C国際化活動のホーム・ページを参照してください。

この文書は永続性を意図しているので、急速に変化する各種テクノロジのブラウザ・サポートに関する個別の情報は提供しません。このような情報については、Web Accessibility Initiative (WAI)のWebサイト([WAI-UA-SUPPORT]を参照)で提供されています。

この文書には、すべてのチェックポイントをトピックおよび優先度ごとに並べた付録があります。付録にあるチェックポイントは、現在の文書にある定義にリンクしています。付録で識別されているトピックには、イメージ、マルチメディア、テーブル、フレーム、フォーム、スクリプトなどがあります。付録は、チェックポイント表形式要約、もしくは単純なリストの形で用意されています。

『Techniques for Web Content Accessibility Guidelines 1.0(Webコンテンツのアクセシビリティに関する技法の指針1.0)』([TECHNIQUES])という表題の別の文書では、現在の文書で定義されているチェックポイントの実装方法について説明しています。技法文書では、各チェックポイントについてより詳しく説明し、ハイパーテキスト・マークアップ言語(HTML)、カスケード・スタイルシート(CSS)、同期マルチメディア統合言語(SMIL)、数理マークアップ言語(MathML)を使った例を示しています。技術文書は、文書の妥当性確認と試験に関する技法、ならびにHTMLの要素と属性(およびこれらを使用する技法)の索引も含んでいます。技法文書は、技術の変更を追跡するように設計されており、現在の文書より頻繁に更新される予定です。注意: すべてのブラウザまたはマルチメディア・ツールが、指針に記述されている機能をサポートするわけではありません。特にHTML 4.0、もしくはCSS 1またはCSS 2の新機能はおそらくサポートされません。

『Web Content Accessibility Guidelines 1.0(Webコンテンツ・アクセシビリティ指針1.0)』は、Webアクセシビリティ・イニシアティブ(WAI)が発行するアクセシビリティ指針シリーズの1つです。このシリーズは、『User Agent Accessibility Guidelines(ユーザー・エージェントのアクセシビリティに関する指針)』([WAI-USERAGENT])や『Authoring Tool Accessibility Guidelines(オーサリング・ツール・アクセシビリティに関する指針)』([WAI-AUTOOLS])も含んでいます。

この文書のステータス

この文書は、W3Cメンバー、その他関係者によってレビューされ、理事によりW3C勧告として承認されています。これは、持続的な文書であり、参考資料として使用したり、別の文書から標準として引用することもできます。勧告の作成におけるW3Cの役割は、仕様に対する関心を引き、幅広い普及を促進することです。このことはWebの機能と普遍性を向上します。

この仕様の英語版が唯一の標準です。他の言語への翻訳については、http://www.w3.org/WAI/GL/WAI-WEBCONTENT-TRANSLATIONSを参照してください。

この文書の既知の誤りは、http://www.w3.org/WAI/GL/WAI-WEBCONTENT-ERRATAから入手可能です。この文書に関する誤りが見つかった場合は、wai-wcag-editor@w3.orgにご報告ください。

現在のW3C勧告およびその他の技術文書は、http://www.w3.org/TRにあります。

この文書は、W3C Webアクセシビリティ・イニシアティブの一環として作成されました。Webコンテンツ指針作業グループの目標については、作業グループの宣言に記されています。

目次

チェックポイントの付録リストは、チェックポイントの表形式要約または単純なリストとして入手可能です。


1. 序文

Webページ設計に関するアクセシビリティ問題に不慣れな人々は、多数のユーザーがあなた方とは非常に異なる状況で操作しているかもしれないことを考えてみてください。

コンテンツ開発者は、ページ設計の際にこれらの各種状況を考慮しなければなりません。考慮すべき状況は複数ありますが、一般にそれぞれのアクセス可能な設計選択肢は、同時に複数の障害グループとWebコミュニティ全体にとって利益となります。たとえば、スタイルシートと使ってフォント・スタイルを制御し、FONT要素を解消することにより、HTML作成者は、作成するページをより細かく制御でき、視力の弱い人々にとってよりアクセス可能なページにでき、スタイルシートを共有することにより、しばしば、すべてのユーザーのダウンロード時間を短縮できます。

この指針では、アクセシビリティの問題について説明し、アクセス可能な設計ソリューションを提供します。指針では、特定の障害を持つユーザーにとって問題を起こすことがある典型的なシナリオ(フォント・スタイルの例と同様)を取り上げます。たとえば、最初の指針では、コンテンツ開発者がイメージをアクセス可能にする方法について説明しています。一部のユーザーはイメージを見ることができなかったり、他のユーザーは、イメージをサポートしていないテキストベースのブラウザを使用していたり、また、他のユーザーはイメージのサポートをオフにしている(例、低速のインターネット接続なので)かもしれません。この指針では、アクセシビリティを向上するための手段として、イメージを避けるように提案しているわけではありません。イメージのテキスト等価物を提供することにより、イメージがアクセス可能になることについて説明しています。

テキスト等価物によって、イメージがどのようにアクセス可能になるのでしょうか?「テキスト等価物」にある次の両方の語が重要です。

注意:テキスト等価物は、障害を持つユーザーにとって利益となるだけではなく、すべてのユーザーがページをよりすばやく見つけるのにも役立ちます。これは、検索ロボットがページをインデックス化するときにテキストを使用できるからです。

Webコンテンツ開発者は、イメージおよびその他のマルチメディア・コンテンツに対するテキスト等価物を提供しなければならないのに対して、ユーザー・エージェント(例、ブラウザおよびスクリーン・リーダー点字ディスプレイなどの支援技術)は、ユーザーへの情報の提示を担当します。

テキストの非テキスト等価物(例、アイコン、オーディオデータ、または手話ビデオ)は、認知的障害、学習障害、聴覚的障害を持つ多くの人々を含む、書かれたテキストへのアクセスが困難な人々にとって、文書をアクセス可能にすることができます。テキストの非テキスト等価物は、読書障害を持つ人々にとっても助けになります。音声解説は、視覚情報の非テキスト等価物の例です。マルチメディア表現の視覚トラックの音声解説は、視覚情報を見ることが難しい人々にとって利益となります。

2. アクセス可能設計のテーマ

Tこの指針では、スムーズな変換を保証し、コンテンツをわかりやすく、ナビゲートしやすくするという2つの一般的テーマを取り上げています。

2.1 スムーズな変換を保証する

Bこの指針に従うことにより、コンテンツ開発者は、スムーズに変換されるページを作成できます。スムーズに変換されるページは、身体的、感覚上、および認識的な障害、作業制約、技術的な壁を含む、「はじめに」の項で説明したいかなる制約があっても、アクセス可能です。スムーズに変換されるページを設計する際に注意すべき点を次に示します。

スムーズな変換のテーマは、主に指針1〜11で取り上げられています。

2.2 コンテンツをわかりやすく、ナビゲートしやすくする

コンテンツ開発者は、コンテンツをわかりやすく、ナビゲートしやすくするべきです。これには、言語を明確でシンプルにするだけではなく、ページ内およびページ間をナビゲートするのに、わかりやすいメカニズムを提供することも含まれます。ページ内にナビゲーション・ツールとオリエンテーション情報を提供すると、アクセシビリティとユーザビリティが最大限に向上されます。イメージ・マップ、プロポーショナル・スクロール・バー、並んで表示されるフレーム、グラフィカル・デスクトップ・ブラウザで視覚障害のないユーザーを誘導するためのグラフィックスなどの視覚的な手がかりは、すべてのユーザーが利用できるとは限りません。一度に1語ずつ(音声合成または点字ディスプレイ)または一度に1セクションずつ(小さなディスプレイまたは拡大表示)しかページにアクセスできないために、ユーザーがページの一部分しか見ることができない場合も、コンテキスト情報を失うことになります。オリエンテーション情報がないと、ユーザーは非常に大きなテーブル、リスト、メニューなどを理解できないかもしれません。

コンテンツをわかりやすく、ナビゲートしやすくするというテーマについては、主に指針12〜14で取り上げられています。

3. 指針の構成

この文書は、14の指針、すなわちアクセス可能な設計の一般原則から構成されています。各指針には、次の項目があります。

各指針にあるチェックポイントは、その指針が標準的なコンテンツ開発シナリオにおいてどのように適用されるかを説明しています。それぞれのチェックポイント定義には、次の項目があります。

各チェックポイントは、ページまたはサイトをレビューする人々が、そのチェックポイントが満たされているかを検証するのに十分具体的な内容を目指しています。

3.1 文書の規定

この文書では、すべての部分で次の編集規定が使用されています。

4. 優先度

各チェックポイントは、作業グループがチェックポイントのアクセシビリティに対する影響に基づいて指定した優先度レベルを持っています。

[優先度 1]
Webコンテンツ開発者は、このチェックポイントを必ず満たさなければなりません。そうしないと、1つまたは複数のグループにとって、文書内の情報へのアクセスが不可能になります。このチェックポイントを満たすことは、一部のグループがWeb文書を使用できるようになるための基本要件です。
[優先度 2]
Webコンテンツ開発者は、このチェックポイントを満たすべきです。そうでない場合、1つまたは複数のグループにとって、文書内の情報へのアクセスが難しくなります。このチェックポイントを満たすことは、Web文書にアクセスする際の重大な障壁を取り除くことになります。
[優先度 3]
Webコンテンツ開発者は、このチェックポイントを満たすことができます。そうでない場合、1つまたは複数のグループにとって、文書内の情報へのアクセスがある程度難しくなります。このチェックポイントを満たすことは、Web文書へのアクセスを向上することになります。

一部のチェックポイントは、特定の(指示あり)条件下で変化することがあるような優先度レベルを指定しています。

5. 適合性

このセクションでは、この文書に対する3つの適合レベルを定義します。

注意: 適合性レベルは、音声にレンダリングしたときにも理解できるように完全なつづりを記述します。

この文書に対する適合性の宣言では、次のいずれかのフォームを使用しなければなりません。

フォーム1: 次の項目を指定します。

形式1の例:

このページは、http://www.w3.org/TR/1999/WAI-WEBCONTENT-19990505で入手可能なW3Cの『Web Content Accessibility Guidelines 1.0(Webコンテンツ・アクセシビリティに関する指針1.0)』にレベルDouble-Aで準拠しています。

フォーム2:適合性を宣言する各ページにW3Cが提供する3種類のアイコンのいずれかを組み込み、そのアイコンの宣言に関する適切なW3Cの説明とリンクします。アイコンとそれをページ内に挿入する方法については、[WCAG-ICONS]を参照してください。


6. Webコンテンツのアクセシビリティ指針

指針1. 聴覚的および視覚的コンテンツに等価代替物を提供する

次の指針: 2 前の指針: 14 目次に移動

ユーザーに提示されたときに、聴覚的または視覚的コンテンツと基本的に同じ機能または目的を持つようなコンテンツを提供します。

一部の人々は、イメージ、動画、サウンド、アプレットなどを直接は使用できませんが、視覚的または聴覚的コンテンツと等価な情報を含んだページは使用できます。等価情報は、視覚的または聴覚的コンテンツと同じ目的を提供しなければなりません。したがって、目次にリンクした上矢印のイメージに対するテキスト等価物は、「目次に移動」となります。等価物は、視覚的コンテンツの表示(例、複雑なグラフ、広告、図)または聴覚的コンテンツのサウンド(例、教育で使用されるオーディオ・サンプル)についても説明するべきです。

この指針では、非テキスト・コンテント(イメージ、オーディオデータ、ビデオ)のテキスト等価物を提供することの重要性を強調しています。テキスト等価物の強みは、各種の技術を使って、さまざまな障害を持つ人々にとってアクセス可能な方法でレンダリング可能な点にあります。テキストは、ボイス・シンセサイザーや点字ディスプレイに簡単に出力でき、コンピュータ・ディスプレイや紙の上に視覚的に(さまざまなサイズで)提示できます。合成音声は、視覚に障害のあるユーザーおよび多くの読書障害を持つ人々(しばしば認知的障害を伴う)にとって不可欠です。点字は、盲ろう者と視覚障害者にとって欠くことができません。視覚的に表示されるテキストは、聴覚障害者および大部分のWebユーザーにとって利益となります。

テキストの非テキスト等価物(例、絵、ビデオ、オーディオデータ)を提供することも、一部のユーザー、特に読書障害を持つ人々または読むことが難しい人々にとって利益になります。動画または視覚的表現の場合、身体言語やその他の視覚的手がかりなどの視覚的動作は、十分な音声情報をともなわずに提示されることが少なくありません。音による解説がないかぎり、視覚的コンテンツの内容を視覚障害者は知ることができません。

チェックポイント:

1.1 すべての非テキスト要素に対してテキスト等価物を提供する(例、"alt"、"longdesc"を使用するか、要素コンテンツ内に記述する)。これには、イメージ、テキストのグラフィカル表現(シンボルを含む)、イメージ・マップ領域、アニメーション(例、アニメーションGIF)、アプレット、プログラマティック・オブジェクト、asciiアート、フレーム、スクリプト、リストの黒丸として使用されるイメージ、スペーサー、グラフィカル・ボタン、サウンド(ユーザー対話ありまたはなしで再生)、スタンドアロン・オーディオ・ファイル、ビデオのオーディオ・トラック、ビデオなどがあります。[優先度 1]
たとえば、HTMLでは、

チェックポイント9.1チェックポイント13.10も参照してください。

チェックポイント1.1に関する技法
1.2 サーバー側イメージ・マップのそれぞれのアクティブ領域について、多様なテキスト・リンクを提供します。[優先度 1]
チェックポイント1.5およびチェックポイント9.1も参照してください。
チェックポイント1.2に関する技法
1.3 ユーザー・エージェントがマルチメディア表現の視覚的トラックのテキスト等価物を自動的に音読できるようになるまで、視覚的トラックの重要な情報の聴覚的説明を提供します。 [優先度 1]
チェックポイント1.4のとおりに、聴覚的記述をオーディオ・トラックと同期させます。視覚的情報に対するテキスト等価物については、チェックポイント1.1を参照してください。
チェックポイント1.3に関する技法
1.4 あらゆるタイムベースのマルチメディア表現(例、動画またはアニメーション)について、等価代替物(例、視覚的トラックのキャプションまたは聴覚的説明)を表現と同期させます。[優先度 1]
チェックポイント1.4に関する技法
1.5 ユーザー・エージェントがクライアント側イメージ・マップ・リンクに対するテキスト等価物をレンダリングできるようになるまで、クライアント側イメージ・マップでそれぞれのアクティブな領域に対して多様なテキスト・リンクを提供します。[優先度 3]
チェックポイント1.2チェックポイント9.1も参照してください。
チェックポイント1.5に関する技法

指針2. 色だけに頼らない

次の指針: 3 前の指針: 1 目次に移動

テキストとグラフィックスが、色なしで見たときも理解可能なことを保証します。

色自身が情報を表すのに使用されている場合、特定の色の違いを区別できない人々および白黒または非視覚的表示のデバイスを使用しているユーザーは、情報を受け取ることができません。前景色と背景色の色合いが近すぎると、白黒ディスプレイを使って見たときまたは各種の色に関する障害を持つ人々にとってコントラストが不足します。

チェックポイント:

2.1 色が表す全部の情報が、色なしでも(例、コンテキストまたはマークアップから)入手可能なことを保証します。[優先度 1]
チェックポイント2.1に関する技法
2.2 前景色と背景色の組合せが、色に関する障害を持つ人々が見たり、白黒画面で見た場合に十分なコントラストを提供することを保証します。[イメージについては優先度 2、テキストについては優先度 3]
チェックポイント2.2に関する技法

指針3. マークアップとスタイルシートを適切に使用する。

次の指針: 4 前の指針: 2 目次に移動

適切な構造要素によって文書をマークアップします。表現要素や属性ではなく、スタイルシートによって表現を制御します。

マークアップを不適切に(仕様に従わずに)使用すると、アクセシビリティが妨げられます。表現効果に関するマークアップを誤って使用する(例、テーブルをレイアウトに使用したり、ヘッダーをフォント・サイズの変更に使用する)と、専用ソフトウェアを使用しているユーザーが、ページの構成を理解したり、ページ内をナビゲートするのが難しくなります。また、構造マークアップではなく、表現マークアップを使って構造を表す(例、HTMLのPRE要素を使って、データのテーブルのようなものを構築する)と、他のデバイスがページをわかりやすい形でレンダリングすることが難しくなります(コンテンツ、構造、表現の違いに関する説明を参照)。

コンテンツ開発者は、古いブラウザで求めるフォーマット効果を達成するような構造体を使用(または誤用)する誘惑に駆られることがあります。コンテンツ開発者は、このような習慣がアクセシビリティの問題を起こすことを認識し、文書を一部のユーザーにとってアクセス不可能なものにするという点で、フォーマット効果が重大な役割を果たすことを考慮しなければなりません。

もう一方の極端な場合として、コンテンツ開発者は、特定のブラウザまたは支援技術によって適切に処理されないからといって、適切なマークアップの使用を避けてはなりません。たとえば、テーブル情報をマークアップするには、たとえ、一部の古いスクリーン・リーダーが横に並んだテキストを正しく取り扱うことができない(チェックポイント10.3を参照)ことがあっても、HTMLのTABLE要素を使用するのが適切です。TABLEを正しく使用し、スムーズに変換されるテーブルを作成する(指針5を参照)と、ソフトウェアはテーブルを二次元のグリッドではなく、テーブルとしてレンダリングすることができます。

チェックポイント:

3.1 情報を表すのに適切なマークアップ言語が存在する場合、イメージではなく、マークアップを使用します。[優先度 2]
たとえば、数式をマークアップするにはMathMLを使用し、テキストや制御レイアウトをフォーマットするには、スタイルシートを使用します。また、イメージを使ってテキストを表すことは避け、代わりにテキストとスタイルシートを使用します。指針6指針11も参照してください。
チェックポイント3.1に関する技法
3.2 発行された正式な文法に従った文書を作成します。[優先度 2]
たとえば、発行されたDTD(例、厳格なHTML 4.0 DTD)を参照する文書の始めには、文書タイプ宣言を含めます。
チェックポイント3.2に関する技法
3.3 レイアウトや表現を制御するには、スタイルシートを使用します。[優先度 2]
たとえば、フォント・スタイルを制御するには、HTMLのFONT要素ではなく、CSSの'font'プロパティを使用します。
チェックポイント3.3に関する技法
3.4 マークアップ言語の属性値とスタイルシートのプロパティ値には、絶対単位ではなく、相対単位を使用します。 [優先度 2]
たとえば、CSSの場合、絶対単位の'pt'や'cm'ではなく、'em'またはパーセント値の長さを使用します。絶対単位を使用する場合、そのコンテンツが使用可能であることを妥当性確認します。
チェックポイント3.4に関する技法
3.5 文書構造を表すにはヘッダー要素を仕様に従って使用します。[優先度 2]
たとえば、HTMLでは、H1のサブセクションを示すのにH2を使用します。フォント効果のためにヘッダーを使用してはなりません。
チェックポイント3.5に関する技法
3.6 リストおよびリスト項目は適切にマークアップします。[優先度 2]
たとえば、HTMLでは、OL、UL、DLリストを適切にネストします。
チェックポイント3.6に関する技法
3.7 引用をマークアップします。インデントなどの効果をフォーマットするために引用マークアップを使用しないこと。[優先度 2]
たとえば、HTMLでは、短い引用と長い引用をマークアップするには、それぞれQ要素とBLOCKQUOTE要素を使用します。
チェックポイント3.7に関する技法

指針4. 自然言語の使用を明確にする

次の指針: 5 前の指針: 3 目次に移動

省略されたテキストまたは外国語テキストの発音または解釈が容易になるようなマークアップを使用します。

コンテンツ開発者が、文書内の自然言語の変更をマークアップすると、ボイス・シンセサイザーや点字デバイスは自動的に新しい言語に切り替えることができ、文書が多言語ユーザーにとってよりアクセス可能になります。コンテンツ開発者は、文書のコンテンツの主要な自然言語を(マークアップまたはHTTPヘッダーを通じて)識別するべきです。また、コンテンツ開発者は省略語および頭字語の本来のスペルを提供するべきです。

自然言語マークアップを使用すると、支援技術を助けるだけではなく、検索エンジンが求められた言語でキーワードを見つけたり、文書を識別することができます。また、自然言語マークアップは、学習障害、認知的障害、または聴覚に障害のある人々を含む、すべての人々にとってWebの可読性を向上します。

省略語や自然言語の変更が識別されない場合、機械が読んだり、点字化するときに判読できません。

チェックポイント:

4.1 文書のテキストおよび任意のテキスト等価物(例、キャプション)の自然言語の変更を明確に識別します。[優先度 1]
たとえば、HTMLでは、"lang"属性を使用します。XMLでは、"xml:lang"を使用します。
チェックポイント4.1に関する技法
4.2 文書の内で省略語または頭字語が最初に現れたとき、そのもとのスペルを指定します。[優先度 3]
たとえば、HTMLでは、ABBRおよびACRONYM要素の"title"属性を使用します。また、文書の本文でもとのスペルを提供すると、文書のユーザビリティが向上します。
チェックポイント4.2に関する技法
4.3 文書の主となる自然言語を識別します。[優先度 3]
たとえば、HTMLでは、HTML要素の"lang"属性を設定します。XMLでは"xml:lang"を使用します。サーバー・オペレータは、HTTPのコンテンツ・ネゴシエーション機構([RFC2068]、セクション14.13)が生かされ、クライアントが求める言語の文書を自動的に取り出すことができるようにサーバーを構成するべきです。
チェックポイント4.3に関する技法

指針5. スムーズに変換されるようなテーブルを作成する

次の指針: 6 前の指針: 4 目次に移動

テーブルは、アクセス可能なブラウザおよびその他のユーザー・エージェントによって変換されるように必要なマークアップの使用を保証します。

テーブルは、真の表形式情報(「データ・テーブル」)をマークアップするのに使用するべきです。コンテンツ開発者は、ページのレイアウトにテーブルを使用すること(「レイアウト・テーブル」)は避けるべきです。また、テーブルの使用は、どんな用途であっても、スクリーン・リーダーのユーザーに対して固有の問題を起こします(チェックポイント10.3を参照)。

一部のユーザー・エージェントでは、ユーザーがテーブル・セル間をナビゲートしたり、ヘッダーやその他のテーブル・セル情報にアクセスできます。テーブルを正しくマークアップしないと、ユーザー・エージェントに適切な情報が提供されません(指針3も参照)。

次のチェックポイントは、聴覚的手段(例、スクリーン・リーダーまたは自動車搭載パーソナル・コンピュータ)を通じてテーブルにアクセスする人々または一度にページの一部分だけを見る人々(例、音声出力または点字ディスプレイを使用する視覚に障害のあるユーザーまたは視力の弱いユーザー、その他、小さなディスプレイを持つデバイスのユーザーなど)にとって直接的な利益になります。

チェックポイント:

5.1 データ・テーブルの場合、行と列のヘッダーを識別します。[優先度 1]
たとえば、HTMLでは、データ・セルの識別にはTD、ヘッダーの識別にはTHを使用します。
チェックポイント5.1に関する技法
5.2 行または列ヘッダーに複数の論理レベルがあるデータ・テーブルの場合、マークアップを使って、データ・セルとヘッダー・セルを関連付けます。[優先度 1]
たとえば、HTMLでは、行のグループ化にはTHEAD、TFOOT、TBODY、列のグループ化にはCOLとCOLGROUP、データ間のより複雑な関係の記述には、"axis"、"scope"、"headers"属性を使用します。
チェックポイント5.2に関する技法
5.3 直線化したとき意味を持つ場合を除き、テーブルをレイアウトのために使用しないこと。そうしない場合、テーブルが意味を持たないときは、代替等価物(おそらく直線化されたバージョン)を提供します。[優先度 2]
注意: ユーザー・エージェントがスタイルシートの位置決めをサポートしている場合、テーブルをレイアウトのために使用するべきではありません。チェックポイント3.3も参照してください。
チェックポイント5.3に関する技法
5.4 テーブルをレイアウトのために使用する場合、構造マークアップを視覚的フォーマットの目的で使用しないこと。[優先度 2]
たとえば、HTMLでは、(非テーブル・ヘッダー)セルのコンテンツを中央にボールドで表示するには、TH要素を使用しないこと。
チェックポイント5.4に関する技法
5.5 テーブルの要約を提供します。[優先度 3]
たとえば、HTMLの場合、TABLE要素の"summary"属性を使用します。
チェックポイント5.5に関する技法
5.6 ヘッダー・ラベルの省略語を提供します。[優先度 3]
たとえば、HTMLでは、TH要素の"abbr"属性を使用します。
チェックポイント5.6に関する技法

チェックポイント10.3も参照してください。

指針6. 新しい技術を使用したページのスムーズな変換を保証する

次の指針: 7 前の指針:  5 目次に移動

新しい技術がサポートされていなかったり、オフになっている場合も、ページがアクセス可能であることを保証します。

コンテンツ開発者は、既存の技術で生ずる問題を解決するために新しい技術を使用することが奨励されますが、ページが古いブラウザや新機能をオフにしている場合もアクセス可能になる方法を知っておくべきです。

チェックポイント:

6.1 文書は、スタイルシートなしでも読めるような構成にします。たとえば、HTML文書を関連するスタイルシートなしにレンダリングした場合も、文書を読むことができなければなりません。[優先度 1]
コンテンツをローカルに構成する場合、スタイルシートがオフか、サポートされていないとき、意味のある順序でレンダリングされます。
チェックポイント6.1に関する技法
6.2 動的コンテンツが変更される場合、それに対する等価物も更新されることを保証します。[優先度 1]
チェックポイント6.2に関する技法
6.3 スクリプト、アプレット、その他のプログラマティック・オブジェクトがオフになっていたり、サポートされていないときでも、ページが使用可能であることを保証します。それが不可能な場合、代替のアクセス可能なページに等価情報を提供します。[優先度 1]
たとえば、スクリプトをトリガーするリンクは、スクリプトがオフになっていたり、サポートされていないときに動作することを保証します(例、リンク・ターゲットとして"javascript:"を使用しないこと)。スクリプトなしでページを使用可能にすることが不可能な場合、NOSCRIPT要素を使って、テキスト等価物を提供するか、クライアント側スクリプトではなく、サーバー側スクリプトを使用するか、チェックポイント11.4のように代替のアクセス可能なページを提供します。指針1も参照してください。
チェックポイント6.3に関する技法
6.4 スクリプトとアプレットについて、イベント・ヘッダーが入力デバイスに依存しないことを保証します。[優先度 2]
デバイスに依存しないことの定義を参照してください。
チェックポイント6.4に関する技法
6.5 動的コンテンツがアクセス可能であるか、代替の表現またはページを提供することを保証します。[優先度 2]
たとえば、HTMLでは、各フレームセットの終わりにNOFRAMESを使用します。アプリケーションによっては、クライアント側スクリプトより、サーバー側スクリプトの方がよりアクセス可能な場合があります。
チェックポイント6.5に関する技法

指針11.4を参照してください。

指針7. 時間に敏感なコンテンツ変更のユーザー制御を保証する

次の指針: 8 前の指針:  6 目次に移動

オブジェクトまたはページの移動、点滅、スクロール、自動更新は一時停止または停止できるようにします。

認知的または視覚的障害を持つ一部の人々は、移動するテキストを十分な速度で読むことができなかったり、まったく読むことができません。また、移動は刺激が強すぎて、ページの残りの部分が認識的障害を持つ人々にとって読み取り不可能になることがあります。スクリーン・リーダーは、移動するテキストを読むことができません。身体的障害を持つ人々は、移動するオブジェクトと対話するのに十分な速度または精度で動けないことがあります。

注意: 次のすべての指針は、ユーザー・エージェントが十分な機能制御機構を提供するまで、コンテンツ開発者に対してある程度の責任を伴います。

チェックポイント:

7.1 ユーザー・エージェントを使ってユーザーがフリッカーを制御できるようになるまで、画面のフリッカーは避けます。[優先度 1]
注意: 光感受性てんかんの人々は、毎秒4〜59回(ヘルツ)範囲(ピーク感度は毎秒20回)のフリッカーまたは明滅、および(ストロボ光のような)暗から明へのすばやい変化により発作を引き起こすことがあります。
チェックポイント7.1に関する技法
7.2 ユーザー・エージェントを使ってユーザーが点滅を制御できるようになるまで、コンテンツの点滅(すなわち、オンオフなど、一定速度の表現の変化)は避けます。[優先度 2]
チェックポイント7.2に関する技法
7.3 ユーザー・エージェントを使ってユーザーが移動するコンテンツを止めることができるようになるまで、ページ内の移動は避けます。[優先度 2]
ページが移動するコンテンツを含んでいる場合、ユーザーが移動または更新を止めることができるメカニズムをスクリプトまたはアプレットの中で提供します。スクリプト付きのスタイルシートを使って移動を作成すると、ユーザーがこの効果を簡単にオフにしたり、無効にすることができます。指針8も参照してください。
チェックポイント7.3に関する技法
7.4 ユーザー・エージェントがリフレッシュを停止する機能を提供するまで、ページの定期的な自動リフレッシュは行わないこと。[優先度 2]
たとえば、HTMLの場合、ユーザー・エージェントを使ってユーザーが自動リフレッシュをオフにできるようになるまで、"HTTP-EQUIV=refresh"によるページの自動リフレッシュは行わないこと。
チェックポイント7.4に関する技法
7.5 ユーザー・エージェントが自動リダイレクトを停止する機能を提供するまで、マークアップを使って、ページを自動的にリダイレクトしないこと。代わりに、サーバーがリダイレクトを実行するように構成します。[優先度 2]
チェックポイント7.5に関する技法

注意: BLINKおよびMARQUEE要素は、W3CのHTML仕様では定義されてなく、使用するべきではありません。指針11も参照してください。

指針8. 埋込みユーザー・インターフェースの直接アクセシビリティを保証する

次の指針: 9 前の指針:  7 目次に移動

ユーザー・インターフェースがアクセス可能な設計の原則(機能に対するデバイスに依存しないアクセス、キーボード操作や自分の音声出力)に従うことを保証します。

埋込みオブジェクトが「独自インターフェース」を持っている場合、そのインターフェースは(ブラウザ自身に対するインターフェースと同様に)アクセス可能でなければなりません。埋込みオブジェクトのインターフェースがアクセス可能にできない場合、代替のアクセス可能なソリューションを提供しなければなりません。

注意: アクセス可能なインターフェースについては、『User Agent Accessibility Guidelines(ユーザー・エージェントのアクセシビリティに関する指針)』([WAI-USERAGENT])と『Authoring Tool Accessibility Guidelines(オーサリング・ツール・アクセシビリティに関する指針)』([WAI-AUTOOL])を参照してください。

チェックポイント:

8.1 スクリプトやアプレットなどのプログラマティックな要素は、直接アクセス可能にするか、支援技術に対する互換性を保証します。[重要な機能で、ほかでは提示されない場合は優先度 1 それ以外の場合は優先度 2.]
指針6を参照してください。.
チェックポイント8.1に関する技法

指針9. デバイスに依存しない設計

次の指針: 10 前の指針:  8 目次に移動

さまざまな入力デバイスを通じたページ要素のアクティブ化が可能になるような機能を使用します。

デバイスに依存しないアクセスとは、ユーザーが求める入力(または出力)デバイス(マウス、キーボード、音声、ヘッド・ワンド、その他)を使ってユーザー・エージェントまたは文書と対話できることを意味します。たとえば、フォーム制御がマウスまたはその他のポインティング・デバイスによってしかアクティブ化できない場合、視力のない状態、音声入力、キーボードでページを使用している人々やその他の非ポインティング入力デバイスを使用している人々は、フォームを利用できません。

注意: リンクとして使用されているイメージ・マップまたはイメージに対するテキスト等価物を提供すると、ユーザーがポインティング・デバイスなしでそれらと対話できます。指針1も参照してください。

一般にキーボード対話が可能なページは、音声入力またはコマンド行インターフェースを通じてもアクセス可能です。

チェックポイント:

9.1 領域が利用可能な幾何学形状によって定義できない場合を除き、サーバー側のイメージ・マップではなく、クライアント側のイメージ・マップを提供します。[優先度 1]
チェックポイント1.1チェックポイント1.2チェックポイント1.5も参照してください。
チェックポイント9.1に関する技法
9.2 独自のインターフェースを持つ要素は、デバイスに依存しない方法で動作できるように保証します。[優先度 2]
デバイスに依存しないことの定義を参照してください。
指針8も参照してください。
チェックポイント9.2に関する技法
9.3 スクリプトの場合、デバイスに依存するイベント・ハンドラではなく、論理イベント・ハンドラを指定します。[優先度 2]
チェックポイント9.3に関する技法
9.4 リンク、フォーム・コントロール、オブジェクトを通じて論理的なタブ順序を作成します。[優先度 3]
たとえば、HTMLでは、"tabindex"属性によってタブ順序を指定するか、論理的なページ設計を保証します。
チェックポイント9.4に関する技法
9.5 重要なリンク(クライアント側のイメージ・マップ内のリンクを含む)、フォーム・コントロール、フォーム・コントロールのグループへのキーボード・ショートカットを提供します。[優先度 3]
たとえば、HTMLでは、"accesskey"属性によりショートカットを指定します。
チェックポイント9.5に関する技法

指針10. 暫定的ソリューションを使用する

次の指針: 11 前の指針:  9 目次に移動

支援技術と古いブラウザが正しく動作するように、暫定的なアクセシビリティ・ソリューションを使用します。

たとえば、古いブラウザでは、ユーザーが空の編集ボックスにナビゲートできません。古いスクリーン・リーダーでは、連続した複数のリンクが1つのリンクとしてリストされます。したがって、このようなアクティブ要素はアクセスが難しかったり、不可能です。また、現在のウィンドウを変更したり、新しいウィンドウをポップアップすることは、それが起こったことを見ることができないユーザーにとって、重大なオリエンテーションの消失を起こします。

注意: 次のチェックポイントは、ユーザー・エージェント(支援技術)がこれらの問題に対処するまで適用されます。これらのチェックポイントは、「暫定」として分類されています。これは、Webコンテンツ指針作業グループが、この文書の発行時点において、それのチェックポイントがWebのアクセシビリティにとって有効および必要と考えていることを意味します。しかし、作業グループは、将来、Web技術が期待される機能または能力を採用した場合には、これらのチェックポイントが必要になるとは考えていません。

チェックポイント:

10.1 ユーザー・エージェントを使って、ユーザーが新しく作成されたウィンドウをオフにできるようになるまで、ポップアップまたはその他のウィンドウを表示しないこと。また、ユーザーに知らせることなく現在のウィンドウを変更しないこと。[優先度 2]
たとえば、HTMLでは、ターゲットが新しいウィンドウであるようなフレームの使用を避けます。
チェックポイント10.1に関する技法
10.2 ユーザー・エージェントがラベルとフォーム・コントロール間の明示的な関連付けをサポートするまで、ラベルが暗示的に関連付けられたすべてのフォームについて、ラベルが適切に位置決めされることを保証します。[優先度 2]
ラベルは、同じ行にあるコントロールの直前(1行に複数のコントロール/ラベルが可能)か、コントロールの直前の行(1行に1つのラベルと1つのコントロールのみ)に配置しなければなりません。チェックポイント12.4も参照してください。
チェックポイント10.2に関する技法
10.3 ユーザー・エージェント(支援技術を含む)がテキストを正しく並べてレンダリングできるようになるまで、テキストを並行にレイアウトするすべてのテーブルについて、直線的なテキスト代替物を(現在のページまたはその他に)提供します。[優先度 3]
注意: 直線化テーブルの定義を参照してください。このチェックポイントは、並んで提示されるテキスト・ブロックを取り扱うことができないユーザー・エージェント(一部のスクリーン・リーダーなど)を使用する人々にとって利益となります。このチェックポイントは、コンテンツ開発者がテーブル情報の表現にテーブルを使用することを思いとどまらせるものではありません。
チェックポイント10.3に関する技法
10.4 ユーザー・エージェントが空のコントロールを正しく取り扱うことができるようになるまで、編集ボックスとテキスト領域には、デフォルトのプレースホルダー文字をいれておきます。[優先度 3]
たとえば、HTMLの場合、TEXTAREAとINPUTについて、これを行います。
チェックポイント10.4に関する技法
10.5 ユーザー・エージェント(支援技術を含む)が隣接するリンクを明確にレンダリングできるようになるまで、隣接するリンクの間に非リンクの印刷可能文字(スペースで囲まれた)をいれます。[優先度 3]
チェックポイント10.5に関する技法

指針11. W3Cの技術と指針を使用する

次の指針: 12 前の指針:  10 目次に移動

W3C技術(仕様に従った)を使用し、アクセシビリティ指針に従います。W3C技術の使用が不可能だったり、使用することにより、ページがスムーズに変換されなくなる場合、コンテンツのアクセス可能な代替バージョンを提供します。

現在の指針は、次の複数の理由でW3C技術(例、HTML、CSSなど)を推奨しています。

多くのW3Cフォーマット(例、PDF、Shockwaveなど)は、プラグインまたはスタンドアロン・アプリケーションを使って見る必要があります。これらのフォーマットは、しばしば標準のユーザー・エージェント支援技術を含む)によって表示またはナビゲートすることができません。非W3Cおよび非標準の機能(独自の要素、属性、プロパティ、拡張)を避けると、幅広い種類のハードウェアやソフトウェアを使用しているより多くの人々にとって、ページがよりアクセス可能になります。

W3C技術を使用する場合も、アクセシビリティ指針に従って使用しなければなりません。新しい技術を使用する場合、それがスムーズに変換されることを保証します(指針6も参照)。

注意: 文書(PDF、PostScript、RTFなど)をW3Cマークアップ言語(HTML、XML)に変換しても、必ずしもアクセス可能な文書になるわけではありません。したがって、変換プロセスが終わった後に各ページのアクセシビリティとユーザビリティを妥当性確認します(妥当性確認に関するセクションを参照)。ページが簡単に変換できない場合、もとの表現が適切に変換されるようにページを改訂するか、HTMLまたはプレーン・テキストのバージョンを提供します。

チェックポイント:

11.1 W3C技術が利用可能で、かつ作業にとって適切な場合、それを使用し、最新のバージョンがサポートされている場合、それを使用します。[優先度 2]
最新のW3C仕様の場所については参考資料のリスト、ユーザー・エージェントによるW3C技術のサポートについては[WAI-UA-SUPPORT]を参照してください。
チェックポイント11.1に関する技法
11.2 廃止されたW3C技術は避けます。[優先度 2]
たとえば、HTMLでは、廃止されたFONT要素は使用しないこと。代わりにスタイルシート(例、CSSの'font'プロパティ)を使用します。
チェックポイント11.2に関する技法
11.3 ユーザーが自分の好み(例、言語、コンテンツ・タイプなど)に従って文書を受け取れるように情報を提供します。[優先度 3]
注意: 可能な場合はコンテンツ・ネゴシエーションを使用します。
チェックポイント11.3に関する技法
11.4 最善の努力を払ってもアクセス可能なページが作成できない場合、W3C技術を使用し、アクセス可能で、等価な情報(または機能)を持ち、アクセス不可能な(オリジナル)ページと同じ頻度で更新される代替ページへのリンクを提供します。[優先度 1]
チェックポイント11.4に関する技法

注意: コンテンツ開発者は、他のソリューションが失敗した場合にのみ代替ページに頼るべきです。これは、一般に代替ページが「主」ページほど頻繁には更新されないからです。古くなったページは、アクセス不可能なページと同様にフラストレーションを起こします。これは、いずれの場合も、オリジナル・ページに提示されている情報が利用不可能だからです。代替ページの自動生成はより頻繁な更新につながりますが、コンテンツ開発者は、生成されたページが常に意味を持つこと、そしてユーザーが主ページ、代替ページ、またはその両方のリンクをたどることによってサイトをナビゲートできるように常に注意しなければなりません。代替ページに頼る前にオリジナル・ページの設計を再検討します。アクセス可能にすることは、すべてのユーザーにとっての改善となるでしょう。

指針12. コンテンツとオリエンテーションに関する情報を提供する

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ユーザーが複雑なページまたは要素を理解するのを助けるコンテンツとオリエンテーション情報を提供する。

要素をグループ化し、要素間の関係に関するコンテキスト情報を提供することは、おそらくすべてのユーザーとって便利です。ページの各部の関係が複雑だと、認知的障害を持つ人々および視覚的障害を持つ人々にとって解釈が難しくなる場合があります。

チェックポイント:

12.1 フレームの識別とナビゲーションを容易にするために、各フレームに表題を付けます。[優先度 1]
たとえば、HTMLでは、FRAME要素の"title"属性を使用します。
チェックポイント12.1に関する技法
12.2 フレームの目的とフレーム間の関係が、フレーム表題だけではわかりにくい場合、それらを説明します。[優先度 2]
たとえば、HTMLでは、"longdesc"または記述リンクを使用します。
チェックポイント12.2に関する技法
12.3 大きな情報ブロックは、自然で適切な、より取り扱いやすいグループに分割します。[優先度 2]
たとえば、HTMLの場合、SELECTの中でOPTGROUPを使ってOPTION要素をグループ化します。FIELDSETとLEGENDによってフォーム・コントロールをグループ化します。必要に応じてネスト・リストを使用します。見出しを使って文書を構造化します。指針3も参照してください。.
チェックポイント12.3に関する技法
12.4 ラベルは明示的にコントロールと関連付けます。[優先度 2]
たとえば、HTMLでは、LABELおよびその"for"属性を使用します。
チェックポイント12.4に関する技法

指針13. わかりやすいナビゲーション機構を提供する

次の指針: 14 前の指針:  12 目次に移動

人々がサイトの何を見ているかがなるべくわかるように、わかりやすく、一貫性のあるナビゲーション機構(オリエンテーション情報、ナビゲーション・バー、サイトマップなど)を提供します。

わかりやすく、一貫性のあるナビゲーション機構は、認知的障害を持つ人々または視覚に障害のあるユーザーに取って重要であるとともに、すべての人々にとって利益になります。

チェックポイント:

13.1 各リンクのターゲットを明確に識別します。[優先度 2]
リンク・テキストは、単独または一連のリンクの中でコンテキストを読み出すときに十分な意味を持つような内容にするべきです。また、リンク・テキストは簡潔にするべきです。
たとえば、HTMLの場合、「ここをクリック」ではなく、「バージョン4.3に関する情報」と書きます。コンテンツ開発者は、明確なリンク・テキストに加え、情報を表すリンク・タイトル(例、HTMLでは、"title"属性)を使ってリンクのターゲットをさらに明確化することができます。
チェックポイント13.1に関する技法
13.2 ページやサイトに意味情報を追加するメタデータを提供します。[優先度 2]
たとえば、RDF[RDF])を使って文書の作成者、コンテンツのタイプなどを示します。
注意: 一部のHTMLユーザー・エージェントは、HTML LINK要素と"rel"または"rev"属性(例、rel="next"、rel="previous"、rel="index"など)で記述された文書関係からナビゲーション・ツールを構築することができます。チェックポイント13.5も参照してください。
チェックポイント13.2に関する技法
13.3 サイトの一般的なレイアウトに関する情報(例、サイトマップまたは目次)を提供します。[優先度 2]
サイト・レイアウトを説明する場合、利用可能なアクセシビリティ機能を強調表示し、説明します。
チェックポイント13.3に関する技法
13.4 ナビゲーション機構は一貫性のある方法で使用します。[優先度 2]
チェックポイント13.4に関する技法
13.5 ナビゲーション機構を強調表示し、それに対するアクセスを与えるためのナビゲーション・バーを提供します。[優先度 3]
チェックポイント13.5に関する技法
13.6 関連するリンクをグループ化し、グループを(ユーザー・エージェントに対して)識別し、ユーザー・エージェントがこれらを行うまでは、グループをバイパスするための方法を提供します。[優先度 3]
チェックポイント13.6に関する技法
13.7 検索機能を提供する場合、各種の技能レベルや設定に合った複数の種類の検索を可能にします。[優先度 3]
チェックポイント13.7に関する技法
13.8 見出し、パラグラフ、リストなどの最初に区別情報を配置します。[優先度 3]
注意: これは、よく「フロントローディング」と呼ばれ、ボイス・シンセサイザーなどのシリアル・デバイスによって情報にアクセスする人々にとって特に便利です。
チェックポイント13.8に関する技法
13.9 文書コレクション(すなわち、複数のページからなる文書)に関する情報を提供します。[優先度 3]
たとえば、HTMLの場合、LINK要素と"rel"および"rev"属性を使って文書コレクションを指定します。コレクションを作成するもう一つの方法としては、複数ページのアーカイブ(例、zip、tar、gzip、stuffitなど)を構築します。
注意: オフライン処理による性能向上により、ブラウズをゆっくり行う障害を持つ人々にとって、ブラウズをより安価にすることができます。
チェックポイント13.9に関する技法
13.10 複数行のASCIIアートをスキップするための手段を提供します。[優先度 3]
チェックポイント1.1用語集にあるasciiアートの例を参照してください。
チェックポイント13.10に関する技法

指針14. わかりやすく、シンプルな文書を保証する

次の指針: 1 前の指針: 13 目次に移動

文書がより簡単に理解できるように、わかりやすく、シンプルであることを保証します。

一貫性のあるページ・レイアウト、意味のわかるグラフィックス、理解しやすい言語は、すべてのユーザーにとって利益になります。特に認知的障害を持つ人々または読むのが難しい人々を助けます(しかし、視覚に障害のあるユーザー、視力の弱い人々、またはグラフィックスの表示を選択できないか、選択しないユーザーにとって、イメージがテキスト等価物を持つことを保証します。指針1も参照してください)。

わかりやすく、シンプルな言語は、効率的なコミュニケーションを促進します。書かれた情報へのアクセスは、認知的または学習障害を持つ人々にとって難しいことがあります。また、わかりやすく、シンプルな言語を使用すると、主に手話を使ってコミュニケーションする人々を含む、第一言語が自身の言語とは異なるような人々にとっても利益となります。

チェックポイント:

14.1 サイトのコンテンツにとって最もわかりやすく、シンプルな言語を使用します。[優先度 1]
チェックポイント14.1に関する技法
14.2 グラフィックスまたは聴覚的表現は、ページの理解に役立つ場合、テキストを補います。[優先度 3]
指針1も参照してください。
チェックポイント14.2に関する技法
14.3 ページ間で一貫性のある表現のスタイルを作成します。[優先度 3]
チェックポイント14.3に関する技法

付録A. -- 妥当性確認

ツールと人によるレビューによって、アクセシビリティの妥当性を確認します。一般に自動化手法は高速で便利ですが、すべてのアクセシビリティ問題を確認できるわけではありません。人によるレビューは、言語のわかりやすさとナビゲーションの容易さを保証するのに役立ちます。

妥当性確認手法の使用は、開発の最も早い段階から始めます。早期に確認されたアクセシビリティ問題は、修正や回避がより簡単です。

いくつかの重要な妥当性確認手段を次に示します。これらについては、技法文書の妥当性確認のセクションで詳しく説明されています。

  1. 自動化されたアクセシビリティ・ツールとブラウザの妥当性確認ツールを使用します。ソフトウェア・ツールは、リンク・テキストの意味、テキスト等価物の適用性など、すべてのアクセシビリティ問題を取り上げるわけではないことに注意してください。
  2. 構文(例、HTML、XMLなど)の妥当性を確認します。
  3. スタイルシート(例、CSS)の妥当性を確認します。
  4. テキスト専用のブラウザまたはエミュレータを使用します。
  5. 次のような複数のグラフィックス・ブラウザを使用します。
  6. 複数のブラウザ(新旧)を使用します。
  7. 音声ブラウザ、スクリーン・リーダー、拡大ソフトウェア、小さなディスプレイなどを使用します。
  8. スペルおよび文法チェッカーを使用します。ボイス・シンセサイザーを使ってページを読んでいる人は、スペル・エラーがある語に対してシンセサイザーがつじつまの合わない語を推測する場合があります。文法上の問題を解消することは、理解を向上します。
  9. 文書のわかりやすさとシンプルさをレビューします。一部のワード・プロセッサが生成する可読性統計は、わかりやすさとシンプルさの指標として便利な場合があります。しかし、経験豊かな(人間の)編集者に書かれたコンテキストのわかりやすさをレビューしてもらうのが最適です。また、編集者は、言語またはアイコンの使用によって生ずる可能性のある微妙な文化的問題を見つけ出すことにより、文書のユーザビリティを向上できます。
  10. 障害を持つ人々を招待して、文書をレビューしてもらいます。障害を持つ専門ユーザーと一般ユーザーは、アクセシビリティまたはユーザビリティの問題とそれらの重大度について、貴重なフィードバックを提供してくれるでしょう。

付録B. -- 用語

アクセス可能
障害を持つ人がコンテンツを使用できる場合、そのコンテンツはアクセス可能です。
アプレット
Webページに挿入されるプログラム。
支援技術
障害を持つ人々が毎日の活動を実行するのを支援するために、特別に設計されたソフトウェアまたはハードウェア。支援技術には、車椅子、読書マシン、捕獲用デバイスなどがあります。Webアクセシビリティの分野では、一般的なソフトウェアベースの支援技術として、(他のユーザー・エージェントとともに)グラフィカル・デスクトップ・ブラウザといっしょに動作するスクリーン・リーダー、画面拡大鏡、ボイス・シンセサイザー、音声入力ソフトウェアなどがあります。ハードウェア支援技術には、代替キーボードやポインティング・デバイスなどがあります。
ASCIIアート
ASCIIアートは、イメージを作成するために組み合わせられたテキスト文字とシンボルを表します。たとえば、";-)"は笑顔の感情アイコンです。次のascii図は、患者が目を開けているときと、閉じているときの明滅頻度と光発作反応の関係を示しています[ascii図をスキップするか、グラフの説明を読む]。
 
  %   __ __ __ __ __ __ __ __ __ __ __ __ __ __   
100 |             *                             |
 90 |                *  *                       |
 80 |          *           *                    |
 70 |             @           *                 |
 60 |          @                 *              |
 50 |       *        @              *           |
 40 |                   @              *        |
 30 |    *  @              @  @           *     |
 20 |                                           |
 10 |    @                       @  @  @  @     |
      0  5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70
      明滅頻度(ヘルツ)
オーサリング・ツール
HTMLエディタ、文書変換ツール、データベースからWebコンテンツを生成するツールは、すべてオーサリング・ツールです。アクセス可能なツールの開発については、『Authoring Tool Accessibility Guidelines(オーサリング・ツール・アクセシビリティに関する指針)』([WAI-AUTOOLS])を参照してください。
後方互換
前のバージョンの言語、プログラムなどに対しても引き続き動作するような設計。
点字
点字は、6つの盛り上がったドットからなる複数のパターンによって文字や数字を表し、それらを視覚に障害のあるユーザーが指先で読むことができます。「アクセス可能」という語を点字で表すと、次のようになります。
アクセス可能
点字ディスプレイは、「ダイナミック点字ディスプレイ」とも呼ばれ、電子デバイス(通常はコンピュータ)からのコマンドに従ってドット・パターンを上げ下げします。この結果、時間とともに変化する1行の点字が生成されます。現在のダイナミック点字ディスプレイには、1セル(6または8ドット)から80セルまであり、大部分は12から20セルです。
コンテンツ開発者
Webページを作成したり、Webサイトを設計する人。
廃止された
廃止された要素または属性は、新しい構造体の出現により古くなった構造体です。廃止された要素は、将来のHTMLバージョンではおそらく陳腐化します。技法文書にあるHTMLの要素と属性の索引は、どの要素と属性がHTML 4.0で廃止されるかを示しています。
作成者は、廃止された要素と属性の使用を避けるべきです。ユーザー・エージェントは、後方互換性の理由からサポートを続けるべきです。
デバイスに依存しない
ユーザーは、自分が選択し、ニーズに合うようサポートされた入力および出力デバイスを使って、ユーザー・エージェント(およびそれによってレンダリングされた文書)と対話できなければなりません。入力デバイスには、ポインティング・デバイス、キーボード、点字デバイス、ヘッド・ワンド、マイクロフォン、その他があります。出力デバイスには、モニター、ボイス・シンセサイザー、点字デバイスなどがあります。
「デバイスに依存しないサポート」は、ユーザー・エージェントがすべての入力または出力デバイスをサポートしなければならないわけではないことに注意してください。ユーザー・エージェントは、サポートされているデバイスに対して多様な入力および出力機構を用意するべきです。たとえば、ユーザー・エージェントがキーボードとマウスの入力をサポートしている場合、ユーザーはキーボードまたはマウスのいずれかを使って、すべての機能と対話できるべきです。
文書のコンテンツ、構造、表現
文書のコンテンツは、文書が自然言語、イメージ、サウンド、動画、アニメーションなどを通じてユーザーに伝える内容です。文書の構造は、文書の論理的な組立て(例、章単位、序文と目次など)。文書構造を指定する要素(例、HTMLのP、STRONG、BLOCKQUOTE)は、構造要素と呼ばれます。文書の表現は、文書をレンダリングする方法(例、印字、二次元グラフィカル表現、テキストのみ表現、合成音声、点字など)です。文書の表現を指定する要素(例、B、FONT、CENTER)は、表現要素と呼ばれます。
たとえば、文書ヘッダーについて考えてみます。ヘッダーのコンテンツは、ヘッダーが伝える内容(例、「ヨット」)です。HTMLでは、ヘッダーはH2要素などによってマークアップされた構造要素です。最後にヘッダーの表現の例として、マージン内のボールド・ブロック・テキスト、テキストの中心線、特定の音声スタイルで話されるタイトル(音声フォント)などがあります。
ダイナミックHTML (DHTML)
DHTML は、HTML、スタイルシート、文書オブジェクト・モデル[DOM1]、スクリプトを含む複数の標準に適用されるマーケッティング用語です。しかし、DHTMLを正式に定義したW3C仕様はありません。ほとんどの指針は、DHTMLを使ったアプリケーションに対しておそらく適用可能です。ただし、指針1、指針3指針6指針7指針9は、スクリプトとスタイルシートに関する問題に重点を置いています。
要素
この文書では、「要素」という用語を厳密なSGMLの意味(要素は構文上の構造体)、そして、より一般的な意味、すなわちある種のコンテンツ(ビデオやオーディオなど)または論理的構造体(ヘッダーやリストなど)の両方で使用しています。2番目の意味は、HTMLの影響を受けた指針が別のマークアップ言語により簡単に適用されることを強調しています。
(SGML)要素には、レンダリングされるもの(例、HTMLのP、LI、またはTABLE要素)、外部コンテンツに置き換えられるもの(例、IMG)、処理に影響を与えるもの(例、情報をスタイルシートまたはスクリプト・エンジンによって処理するためのSTYLEとSCRIPT)があることに注意してください。テキスト文字を文書の一部にするような要素は、テキスト要素と呼ばれます。
等価な
1つのコンテンツがユーザーに提示されたときに両方とも基本的に同じ機能または目的を満たす場合、両者は「等価」です。この文書のコンテキストでは、コンテンツが等価であるためには、主コンテンツが障害を持たない人々に対して満たすのと同じ機能を、障害を持つ人々に対して(障害の性質と技術の状況から実現可能な範囲において)満たさなければなりません。たとえば、「満月」というテキストは、ユーザーに提示されたとき、おそらく満月のイメージと同じ情報を表します。 等価情報とは、同じ機能を満たすことに重点を置いていることに注意してください。イメージがリンクの一部にあり、イメージを理解することがリンク先を推測するために不可欠である場合、等価物もリンク先の観念をユーザーに与えなければなりません。アクセス不可能なコンテンツに対して等価情報を提供することは、作成者がその文書を、障害を持つ人々にとってアクセス可能にすることができる主要な手段の1つです。
コンテンツの同じ機能を満たすことの一環として、コンテンツの記述(すなわち、コンテンツがどのように見えるか、サウンドはどのようなものか)を伴う場合がありますたとえば、複雑なグラフが表す情報をユーザーが理解するために、作成者はグラフの視覚的情報を説明するべきです。
テキスト・コンテンツは、合成音声、点字、視覚表示テキストとしてユーザーに提示できるので、この指針には、グラフィックスおよびオーディオ情報に関するテキスト等価物が必要です。テキスト等価物は、すべての基本的なコンテンツを表すように記述されていなければなりません。また、非テキスト等価物(例、視覚的表現の聴覚的記述、書かれた話の等価物として、人が手話を使って話すビデオなど)も、多くの視覚に障害のあるユーザー、認知的障害、学習障害を持つ人々、聴覚に障害のある人々を含む、視覚的情報または書かれたテキストにアクセスできない人々にとってのアクセシビリティを向上します。
等価情報は、属性を通じて(例、HTMLとSMILの"alt"属性に対するテキスト値)、要素コンテンツの一部として(例、HTMLのOBJECT)、文書の散文の一部として、またはリンクされた文書(例、HTMLの"longdesc"属性または記述リンクによる指定)を含む、複数の方法によって提供できます。等価物の複雑さによって、複数の技法を組み合わせる(例、慣れた読み手のために省略等価物には"alt"を使用し、初めて読む人のために、より複雑な情報へのリンクに"longdesc"を使用する)ことが必要な場合があります。いつ、どのように等価情報を提供するかについては、技法文書([TECHNIQUES])に詳しく説明されています。
テキスト・トランスクリプトは、会話や音響効果などの会話以外のサウンドを含む、オーディオ情報のテキスト等価物です。キャプションは、ビデオおよびオーディオ・トラックと同期したビデオ表現のオーディオ・トラックに対するテキスト・トランスクリプトです。一般にキャプションは、ビデオ上に字幕スーパーを重ねることにより、視覚的にレンダリングされます。これは、聴覚に障害のある人々、耳が聞こえにくい人々、その他オーディオを聞くことができない人々(例、混雑した室内にいる場合)にとって利益になります。対照テキスト・トランスクリプトは、キャプションをビデオ情報のテキスト説明(ビデオ・トラックの動作、身体言語(ボディー・ランゲージ)、グラフィックス、シーン変化の説明)を結合した(対照させた)ものです。これらのテキスト等価物は、表現を耳と視覚に障害のあるユーザーや、動画やアニメーションを再生できない人々にとってアクセス可能にします。また、情報を検索エンジンにとっても利用可能にします。
非テキスト等価物の例として、表現の主要な視覚的要素の聴覚的説明があります。説明は、あらかじめ録音された人間の声または合成音声(録音または動的生成)のいずれかです。聴覚的説明は、表現のオーディオ・トラックと同期しており、通常はオーディオ・トラックの自然なポーズ中に行われます。聴覚的説明は、行動、身体言語(ボディー・ランゲージ)、グラフィックス、場面変更などに関する情報を含んでいます。
イメージ
グラフィカルな表現。
イメージ・マップ
アクションが関連付けられた複数の領域に分割されているイメージ。アクティブ領域をクリックすると、アクションが起こります。
ユーザーがクライアント側イメージ・マップのアクティブ領域をクリックすると、ユーザー・エージェントが、どの領域でクリックが起こったかを計算し、その領域と関連付けられたリンクをたどります。サーバー側イメージ・マップのアクティブ領域をクリックすると、クリックの座標がサーバーに送られ、そこで同じアクションが起こります。
コンテンツ開発者は、イメージ・マップの領域と関連付けられた同じリンクへのデバイスに依存しないアクセスを提供することにより、クライアント側イメージ・マップをアクセス可能にすることができます。クライアント側イメージ・マップでは、ユーザー・エージェントは、ユーザーのポインタがアクティブな領域にあるかどうかを直ちにフィードバックできます。
重要
文書内の情報を理解することが、文書の理解にとって不可欠である場合、その情報は重要です。
直線化されたテーブル
セルの内容が(例、ページの下に向かって)順番にパラグラフの並びとなるような、テーブルのレンダリング・プロセス。パラグラフは、文書ソース内のセルの定義と同じ順序に生成されます。直線化した後にページが意味を持つように、セルは順番に読んだときに意味を持ち、かつ構造的要素(パラグラフ、ヘッダー、リストなどを作成する)を含んでいるべきです。
リンク・テキスト
リンクのレンダリングされたテキスト・コンテンツ。
自然言語
フランス語、日本語、米国式手話、点字などの話す、書く、または身振りによる人間言語です。コンテンツの自然言語は、HTMLの"lang"属性([HTML40]セクション8.1)やXMLの"xml:lang"属性([XML]、セクション2.12)によって示すことができます。
ナビゲーション機構
ナビゲーション機構は、ユーザーがページまたはサイトをナビゲーションするための任意の手段です。次のような機構があります。
ナビゲーション・バー
ナビゲーション・バーは、文書またはサイトの重要な部分へのリンクの集まりです。
サイトマップ
サイトマップは、ページまたはサイトの構成に関するグローバルなビューを提供します。
目次
一般に目次は、文書の重要なセクションのリスト(およびそれに対するリンク)です。
パーソナル・ディジタル・アシスタント (PDA)
A PDA は、小型の携帯コンピューティング・デバイスです。ほとんどのPDAは、カレンダ、連絡、電子メールなどの個人データの追跡に使用されます。一般にPDAは、各種ソースからの入力が可能な小さな画面を持つハンドヘルド・デバイスです。
画面拡大鏡
画面の一部を拡大し、より簡単に見えるようにするためのソフトウェア・プログラム。画面拡大鏡は、主に視力の弱い人々によって使用されます。
スクリーン・リーダー
画面のコンテンツをユーザーのために音読するソフトウェア・プログラム。スクリーン・リーダーは、主に視覚に障害のあるユーザーによって使用されます。一般にスクリーン・リーダーが読むことができるのは、画面に印字された文字のみで、描画された文字は読むことはできません。
スタイルシート
スタイルシートは、文書の表現を指定するステートメントの集まりです。スタイルシートには、コンテンツ・プロバイダが書いたもの、ユーザーが作成したもの、ユーザー・エージェントに組み込まれたものの3種類があります。CSS([CSS2])では、コンテンツ・プロバイダ、ユーザー、ユーザー・エージェントのスタイルシートの対話をカスケードと呼びます。
表現マークアップは、HTMLのBまたはI要素のようにスタイリスティック(構造的ではない)効果を達成するマークアップです。STRONGおよびEM要素は、個々のフォント・スタイルに依存しない情報を表すので、プレゼンテーション・マークアップとはみなされません。
テーブル情報
テーブルは、データ(テキスト、数値、イメージなど)の間の論理的な関係を表すのに使用されます。このような情報を「テーブル情報」と呼び、テーブルは「データ・テーブル」と呼ばれます。テーブルによって表される関係は、視覚的(通常は二次元グリッド)、聴覚的(しばしば、セルの前にヘッダー情報が付く)またはその他のフォーマットでレンダリングできます。
ユーザー・エージェントが〜になるまで
ほとんどのチェックポイントでは、コンテンツ開発者は、ページやサイトのアクセシビリティを保証することを求められます。しかし、ユーザー・エージェント支援技術を含む)によってより適切に満たされるようなアクセシビリティ・ニーズがあります。この文書の発行時点では、すべてのユーザー・エージェントまたは支援技術が、ユーザーが必要とするアクセシビリティ・コントロールを提供しているわけではありません(例、一部のユーザー・エージェントでは、ユーザーが点滅するコンテントをオフにできません。また、別のスクリーン・リーダーはテーブルを適切に取り扱うことができません)。「ユーザー・エージェントが〜になるまで」という語句を含んだチェックポイントの場合、ユーザーが容易に入手可能なほとんどのユーザー・エージェントが必要なアクセシビリティ機能を含むようになるまでは、コンテンツ開発者がアクセシビリティの追加サポートを提供する必要があります。
注意: W3C WAI Webサイト([WAI-UA-SUPPORT]を参照)では、アクセシビリティ機能のユーザー・エージェント・サポートに関する情報を提供しています。コンテンツ開発者は、このページを定期的に見て、更新された情報を確認することが推奨されます。
ユーザー・エージェント
Webコンテンツにアクセスするためのソフトウェア。ユーザー・エージェントには、デスクトップ・グラフィカル・ブラウザ、テキスト・ブラウザ、音声ブラウザ、携帯電話、マルチメディア・プレーヤ、プラグイン、そして、スクリーン・リーダー、画面拡大鏡、音声合成ソフトウェアなどのブラウザといっしょに使用されるソフトウェア支援技術があります。

謝辞

Webコンテンツ指針作業グループ副委員長:
Chuck Letourneau, Starling Access Services
Gregg Vanderheiden, Trace Research and Development
W3Cチーム担当者:
Judy Brewer および Daniel Dardailler
私たちは、この指針を完成するために、時間を割いて貴重なコメントをいただいた次の方々に謝意を表します。
Harvey Bingham, Kevin Carey, Chetz Colwell, Neal Ewers, Geoff Freed, Al Gilman, Larry Goldberg, Jon Gunderson, Eric Hansen, Phill Jenkins, Leonard Kasday, George Kerscher, Marja-Riitta Koivunen, Josh Krieger, Scott Luebking, William Loughborough, Murray Maloney, Charles McCathieNevile, MegaZone (Livingston Enterprises), Masafumi Nakane, Mark Novak, Charles Oppermann, Mike Paciello, David Pawson, Michael Pieper, Greg Rosmaita, Liam Quinn, Dave Raggett, T.V. Raman, Robert Savellis, Jutta Treviranus, Steve Tyler, Jaap van Lelieveld, and Jason White

この文書のオリジナル草稿は、ウィスコンシン大学のTrace R & D Centerによって編集された『The Unified Web Site Accessibility Guidelines(統一Webサイト・アクセシビリティ指針)』([UWSAG])に基づいています。

参考資料

W3C仕様の最新バージョンについては、W3C技術レポートのリストを参照してください。

[CSS1]
"CSS, level 1 Recommendation", B. Bos, H. Wium Lie, eds., 17 December 1996, revised 11 January 1999. CSS1勧告は: http://www.w3.org/TR/1999/REC-CSS1-19990111 です。
CSS1の最新版は: http://www.w3.org/TR/REC-CSS1 から入手可能です。
[CSS2]
"CSS, level 2 Recommendation", B. Bos, H. Wium Lie, C. Lilley, and I. Jacobs, eds., 12 May 1998. CSS2勧告は: http://www.w3.org/TR/1998/REC-CSS2-19980512 です。
CSS2の最新版は: http://www.w3.org/TR/REC-CSS2 から入手可能です。
[DOM1]
"Document Object Model (DOM) Level 1 Specification", V. Apparao, S. Byrne, M. Champion, S. Isaacs, I. Jacobs, A. Le Hors, G. Nicol, J. Robie, R. Sutor, C. Wilson, and L. Wood, eds., 1 October 1998. DOM Level 1 勧告は: http://www.w3.org/TR/1998/REC-DOM-Level-1-19981001 です。
DOM Level 1 の最新版は: http://www.w3.org/TR/REC-DOM-Level-1 から入手可能です。
[HTML40]
"HTML 4.0 Recommendation", D. Raggett, A. Le Hors, and I. Jacobs, eds., 17 December 1997, revised 24 April 1998. HTML 4.0 勧告は: http://www.w3.org/TR/1998/REC-html40-19980424 です。
HTML 4.0 の最新版は: http://www.w3.org/TR/REC-html40.
[HTML32] から入手可能です。
"HTML 3.2 Recommendation", D. Raggett, ed., 14 January 1997. HTML 3.2 の最新版は: http://www.w3.org/TR/REC-html32 から入手可能です。
[MATHML]
"Mathematical Markup Language", P. Ion and R. Miner, eds., 7 April 1998. MathML 1.0 勧告は: http://www.w3.org/TR/1998/REC-MathML-19980407 です。
MathML 1.0 の最新版は: http://www.w3.org/TR/REC-MathML から入手可能です。
[PNG]
"PNG (Portable Network Graphics) Specification", T. Boutell, ed., T. Lane, contributing ed., 1 October 1996. PNG 1.0 の最新版は: http://www.w3.org/TR/REC-png から入手可能です。
[RDF]
"Resource Description Framework (RDF) Model and Syntax Specification", O. Lassila, R. Swick, eds., 22 February 1999. RDF勧告は: http://www.w3.org/TR/1999/REC-rdf-syntax-19990222 です。
RDF 1.0 の最新版は: http://www.w3.org/TR/REC-rdf-syntax から入手可能です。
[RFC2068]
"HTTP Version 1.1", R. Fielding, J. Gettys, J. Mogul, H. Frystyk Nielsen, and T. Berners-Lee, January 1997.
[SMIL]
"Synchronized Multimedia Integration Language (SMIL) 1.0 Specification", P. Hoschka, ed., 15 June 1998. SMIL 1.0 勧告は: http://www.w3.org/TR/1998/REC-smil-19980615 です。
SMIL 1.0 の最新版は: http://www.w3.org/TR/REC-smil から入手可能です。
[TECHNIQUES]
"Techniques for Web Content Accessibility Guidelines 1.0", W. Chisholm, G. Vanderheiden, I. Jacobs, eds. この文書は、『Web Content Accessibility Guidelines 1.0(Webコンテンツ・アクセシビリティに関する指針1.0)』で定義されたチェックポイントの実装方法について説明しています。この技術の最新草稿は: http://www.w3.org/TR/WAI-WEBCONTENT-TECHS から入手可能です。
[WAI-AUTOOLS]
"Authoring Tool Accessibility Guidelines", J. Treviranus, J. Richards, I. Jacobs, C. McCathieNevile, eds. アクセス可能なオーサリング・ツールの設計に関するこれらの指針の最新の作業草稿は: http://www.w3.org/TR/WAI-AUTOOLS/ から入手可能です。
[WAI-UA-SUPPORT]
このページは、この文書にリストされたいくつかのアクセシビリティ機能のユーザー・エージェント(支援技術)を含むによる既知のサポートを文書化したものです。このページは: http://www.w3.org/WAI/Resources/WAI-UA-Support から入手可能です。
[WAI-USERAGENT]
"User Agent Accessibility Guidelines", J. Gunderson and I. Jacobs, eds. アクセス可能なユーザー・エージェントの設計に関するこれらの指針の最新の作業草稿は: http://www.w3.org/TR/WAI-USERAGENT/ から入手可能です。
[WCAG-ICONS]
この文書に関する適合アイコンとそれらの使用方法に関する情報は: http://www.w3.org/WAI/WCAG1-Conformance.html から入手可能です。
[UWSAG]
"The Unified Web Site Accessibility Guidelines", G. Vanderheiden, W. Chisholm, eds. 『The Unified Web Site Guidelines』は、National Institute on Disability and Rehabilitation Research (NIDRR)、米国教育省からの資金援助のもとに、ウィスコンシン大学のTrace R & D Centerによって編集されたものです。この文書は: http://www.tracecenter.org/docs/html_guidelines/version8.htm から入手可能です。
[XML]
"Extensible Markup Language (XML) 1.0.", T. Bray, J. Paoli, C.M. Sperberg-McQueen, eds., 10 February 1998. XML 1.0 勧告は: http://www.w3.org/TR/1998/REC-xml-19980210 です。
XML 1.0 の最新版は: http://www.w3.org/TR/REC-xml から入手可能です。

レベル
Triple-A適合アイコン、W3C-WAI『Web Content Accessibility Guidelines 1.0(Webコンテンツ・アクセシビリティに関する指針1.0)』
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